駒寅日記

駒場に住む🐯年生まれが日々思うことを書き連ねます。

ブランディングプランナーの視点:東京マラソン2024

2024年3月3日。

東京マラソンに初参加しました。

 

週に3~4日、3~5kmのゆるゆるランニングを続けてきた私。過去最長走行距離は、20km弱・・。ランニングは続けてきたけれど、そもそも42kmを走りきれるのか・・・?何を持っていけばよい???という状態で東京マラソンに挑戦してきました。

 

東京マラソンの一般的な魅力は、こちらのサイトどおり。

今週末は東京マラソン、その魅力とは? | AZUKARU

 

ここからは、東京マラソンに参加した実体験をもとに、私が感じた”東京マラソンの凄さ”を紹介します。

ぶっちゃけ、参加するまで東京マラソンのことを舐めてました、ごめんなさい。

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3.8万人のエクストリームユーザーが、大集合。

日本でも増加傾向にあるランニング愛好家。

日本における、昨今のランニング人口は約1000万人(日本人口の8%)。そのうち、マラソンを完走した人は、延べ約30万人(ランニング人口の3%、日本人口全体の0.2%)と言われています。

 

つまり、マラソンランナー=日本人の0.2%というスーパーニッチ集団であると言えます。

 

参加者たちは、国や年齢、性別、職業、タイムや経験もバラバラですが3.8万人の全ての参加者が”42.195kmを1分1秒でも早く走り抜く”という明確な目標に向かって、

心身の限界に挑戦します。

 

ラソンランナーのペルソナ傾向は、

靴やウェア、時計に機能性比較を行った上で商品を購入する傾向が強く、日々のトレーニングを行うなど、地道な自己投資を積み重ねる人たちであると推定されます。

だって、ポッと出でマラソン走るとかマジで無理だから。

 

そんなプロフェッショナルみが強い人たちが集まった空間は、今まで経験したことがないグルーヴ感がすごい。

特にスタート前は、黙々&淡々としつつも、

熱気に溢れていました。

 

「特殊性に溢れた人々が、3.8万人という母集団が一堂に会する」という事象の貴重性、空気感に感銘を受けました。

 

東京マラソン参加者を対象に、習慣化や未来のWELLBEINGに関するデザインリサーチをやるとめちゃめちゃ面白いインサイトが得られそうです・・

Vitalityなどの健康管理サービスを扱っている日本生命さんとか、いかがでしょう・・・?

 

極限状態だからこそ、感情がむき出しになり、体験が記憶に強く刻まれる。

様々な企業がスポンサー協賛している東京マラソン。特に印象に残ったのが、久光製薬が提供するサロンパスのスポンサープログラムでした。

 

普段、接点がなかったサロンパス

直前のEXPOブースでサロンパスのサンプルをもらった時は、『無事終わったら筋肉痛対策で使おう、ラッキー。』くらいの感覚でした。

 

ところが、本番当日、全く違う印象をいただきます。

コース25km地点に『エイドステーションpowered by サロンパス』が設置されており、

前方を走るランナーがどんどん吸い込まれていく。私も流れに乗って吸い込まれてエイドステーションに入ると、久光社員の方から、手渡しで25mLのエアサロンパス(サンプル)が手渡されます。

 

 

今まで味わったことがない脚の痛みに、サロンパスをひたすら吹き付けると、びっくりするくらい痛みが引くのです。

 

サロンパス、こんなにすごいやつやったんか!!!というか、足が痛いのに走らなきゃいけないというサロンパスさんの本領を発揮するタイミングで、商品の真価を体験するシーンを作れるなんて!!!

しかも、レース参加者(おそらく1万人以上は収容している??)をスピーディにピットインさせ、かつ、多言語対応で収容できるブースをコース上で実現している・・!!

最初に企画したマーケティング担当者すごすぎです。

 

また、後半30km以降になると、「サロンパスあるよー!!」と声をかけてくれる沿道の応援の方々(一般人)が登場。

 

これは、ほんとーに、ほんとーにありがたかった。

 

海外の方も、覚えたての日本語やカタコトの英語で

 

サロンパス!プリーズ!」

「ありがとう!」

「がんばって!」

という優しいやりとりが生まれていました。サロンパスをきっかけに、世界がつながっている・・・!と衝撃を覚えました。

 

これらの体験は、久光製薬およびサロンパスへの強烈な愛が生まれた瞬間でした。

 

綺麗な広告や、商品コピーを作るのマーケティング手法も重要ですが、極限状態のサロンパスエイドステーションでの商品価値を脳みそに刻む体験は、レベルが違いました。すごい。

 

一事例としてサロンパスを紹介しましたが、ポカリスエットカロリーメイト、私設エイドで提供されるコカコーラ、ブロックチョコなども以下同文です。

 

東京マラソンを世界一流のコースにしたのは、東京運営メンバーのできないをできるにする「意志と覚悟」

東京マラソンの特徴である東京都心の名所を巡るコース、本当に華やかで、沿道の大歓声の中走るのは鳥肌ものでした。

 

東京ど真ん中の公道を42kmも交通規制をするだけでも大変なのに、荷物輸送、エイドスポット、警備やドクター、仮設トイレや、30mごと?に設置された案内板、ボランティア1万人のアサイン、、、3.8万人のランナーのために、緻密かつ完璧なロジスティックが遂行されていました。

 

こんな大規模イベントのプロジェクトマネジメント、どうやって計画・管理されているのだ・・・!ということで頭がいっぱい。

 

毎年行われているとはいえ、コロナやテロなどのリスク対策、関係各所との調整、時間単位での当日の進行スケジュールなど、、、

 

どんどんアップデートされているであろうことを考えると、誰が、どんなチームで、どんなタスク管理でプロジェクト管理をしているのか・・・想像するだけで頭がパンクしそうです。

 

東京マラソンは1年に1回。

参加者や関係者の期待値は、年々シビアになりますし、一発花火では終わらない、ブランドとして失敗できない難しさがあるはず。

 

こんな巨大プロジェクト、意思と覚悟がないとできません。すごすぎる。

 

東京マラソンの舞台裏(特にプロジェクトマネージャー特集)を、NHKで取材してほしい。

 

結論:東京マラソン、めっちゃ楽しかった。

本当に楽しかったです。

参加してみないとわからない刺激的な体験でした。

来年も出たい!